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繊維補強モルタルの3Dプリンティング

3Dプリンティングは、近未来の建設技術「ロボット導入」の一つです。

私たち職人の体に染み込んでいる技と、ロボット導入の丹念な研究。
この二つが融合する建設現場に、西谷工業も参画します。
今、建設現場のさまざまな場所で新しいテクノロジーが導入されており、私たちがロボットと並んで朝礼に出る光景は、もう遠い未来の話ではありません。

3Dプリンティングで擁壁を作る

2021年12月、22年3月に、印南専務、染谷技術責任者、仲舘職長が、
清水建設さまの実験用施設で3Dプリンティングの試験施工を行ってきました。

「プリンティング」=「印刷する」
今まで、「建てる→流し込む→固まる→外す」だった工程が、
「印刷する」に代わる技術です。

Before

型枠にモルタルを流し込んで固める

After

3Dプリンターがモルタルを積み上げる

ここで紹介する3Dプリンティングは、セメント系の建設3Dプリンターで擁壁を建てる工程です。

3次元の設計データをプリンターに読み込ませると、アームが自在に移動し先端のノズルからモルタルを断面形状に積み重ね、構造物を造形していきます。

通常の工程

モルタルを流し込む「型枠」組み立てます。その「型枠」の中に液状のモルタルを流し込み、モルタルが固まったら「型」を外します。

※動画は住宅基礎の工程イメージ

3Dプリンティングの場合

ロボットアームがプログラムでセットされた形状通りに移動。先端からモルタルをニョキニョキ出し、バームクーヘンのように積み上げます。

※動画は8倍速です

3Dプリンティングの一番の特徴は、
型枠を使わず直接造形できるため、曲線などの複雑な形を施工できる点です。

※動画は6倍速です

従来のやり方で曲線など立体的なものを作ろうとした場合、型枠から特別に作っていましたが、3Dプリンティングなら変形がある構造も自在に「印刷」できます。

技術伝承とイノベーションの融合

2022年5月、清水建設さまの研究・体験型の研修・歴史資料展示施設などからなる大規模イノベーションセンター「塩見プロジェクト」の擁壁を、繊維補強モルタルの3Dプリンティングで施工します。
西谷工業の現場で初めてお披露目となります。
(番頭:印南和紀/専務取締役、職長:染谷修一/工事部 技術責任者)

高さ2M、長さ40Mの曲線でできた外構の擁壁を、繊維補強モルタルの3Dプリンティングで施工。
屋外現場ですので、テントを張ります。
そのテントの中に門型クレーンを組み、上からから吊るされたロボットアームが、何十ものモルタル層をつくりながら擁壁を施工をします。
下記イラストはまだ見ぬ現場のイメージです。

イラストはイメージです。

精彩な仕上げを求める日本国内の建設現場では、
3Dプリンターの積層構造によりできてしまう段差や、
線が通ってない、表面が縞々になってしまうなどの、
仕上げ調整作業に職人の技が欠かせません。

西谷工業は、その調整をロボットと協働して行います。

オープンイノベーションによる先端技術と、西谷工業が大切にしてきた技術の伝承。
この二つが形を変えながら進化し融合していきます。
先進技術だからこそぶつかる壁は多く、ロボットは繊細です。
その時々の状況に臨機応変に対応してきた左官職人が、繊細なロボットをフォローし技術の進歩に貢献することは、新しい時代のプロフェッショナル職人の技です。
私たちはその技を磨き、左官の未来、日本建設業の未来につなげていきます。

コテを扱う技術も、先端技術のマシンも、
両方の知識を持ち自在に扱う「進化したプロフェッショナル職人」が活躍しています。

3Dプリンティングの特徴まとめ

  • 型枠を使わない(型枠大工さんいらず、バラシもいらず)
  • 材料の無駄がない
  • 曲線などの複雑な仕上げもプログラムで対応
  • 工期短縮

海外では既に多く採用されているこの技術。
2024年のPARISオリンピックに向け、パリ市内に3Dプリンター製の歩道橋が建設されています。
実用的で安全な大型建築物への活用事例も今後増えていくことと思います。

3Dプリント製歩道橋のイメージ
引用:XtreeE公式Webサイトより

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